足のむくみに対する治療

こんにちは。今回は腎機能が低下した方のふくらはぎのむくみの治療について書いてみようと思います。

元々は首と腰の痛みで通院をされていたのですが首の痛みが治まったのを機に足のむくみが気になるとの相談を受け治療を開始することになりました。
むくみは右足のみにあり腹膜透析を行っていることも関連していると思われました。
ふくらはぎは冷えが強く特に内側のほうに冷えが強い箇所が多くありました。



青枠で囲ったところが特に冷えが強かったところです。

次にむくみに対してお灸をする際に用いたツボを紹介していきます。

太白
脾経の原穴。主治は母趾麻痺を治す。また痛風や関節リウマチでこの部分が腫れたものにも効く。

三陰交
脾経のツボ。主治は冷え性や産婦人科疾患。また下腹部の膨満感、腎炎、膀胱炎、淋疾、足関節炎、下肢麻痺、脚気、胃腸炎などに効くとされている。

湧泉
腎経の井穴。腎疾患を主りそれに付随するむくみに対してお灸をして著効がある。また腰髄麻痺による下肢の運動障害や麻痺感、足の裏が痛み地を踏むことも難しいものなどにも効くとされている。

太渓
腎経の原穴。腎臓疾患を主る。そのほか喉の痛み、気管支炎、中耳炎、耳鳴り、扁桃炎、骨髄炎を治するとされている。また脚気、足の裏の痛み、足の冷え、踵の痛み、足関節炎及びリウマチなどにも効く。

照海
腎経のツボ。主治は太渓とほぼ同じ。

これらのうち太白と三陰交は腎のツボではなく脾のツボでむくみを主治とはしていませんが、脾の働きとして体内の水分を捌く作用があるため用いることにしました。

週一度のペースで一か月治療を行った結果、足のむくみは大幅に減少し左足とほとんど大差ないほどまで改善できました。


足全体を温めるのではなく一つ一つのツボをピンポイントで熱を入れることが大事だと感じた症例でした。

2022年08月05日